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マイホームは、頭金を貯めてから買う?住宅ローンですぐ買う?

いつかマイホームは欲しいと考えていても、購入に踏み出せない理由の一つが「頭金」です。
「まだ頭金が貯まってないから・・・」と、賃貸住宅に住みながら頭金が貯まるのを待つというのは、一見堅実な買い方に思えますが、頭金ゼロで、すぐに住宅ローンを利用して購入した場合の方が負担を抑えられることも。
2つのケースをシミュレーションし、結果的にどちらの方が少ない支払いで済むのか、検証してみましょう。
 

Aさん
・現在、家賃12万円の賃貸マンションに住んでいる
・3,500万円のマンションを購入したい
・5年間で頭金500万円を貯める予定
・住宅ローンの借入期間は35年、金利は1.5%と想定
実は「すぐ購入」の方が、費用が少ない

1.頭金を貯めてから5年後に購入した場合

住宅ローンの借入額/3,000万円
月々の返済額/91,855円
総返済額【A】/38,579,100円
頭金【B】/500万円
家賃負担【C】/720万円

住宅にかかる費用【A+B+C】/50,779,100円

2.頭金ゼロですぐに購入した場合

住宅ローンの借入額/3,500万円
月々の返済額/107,164円
総返済額【A】/45,008,880円
頭金【B】/0円
家賃負担【C】/0円

住宅にかかる費用【A+B+C】/45,008,880円

5年間で500万円を貯めて、住宅ローンの借入額を減らした場合、頭金ゼロの場合と比べると、月々の返済額は15,000円程度安くなります。また、総返済額も約577万円少なくてすみます。

一見頭金を貯めてからの方が良さそうですが、忘れてはいけないのが家賃の負担です。5年間賃貸で住むとすれば、720万円も支払っていることになります。仮に、住宅ローンの金利が高いのであれば、その分総返済額が増えるので、借り入れ金額を減らした方が良いですが、現在のような低金利の状況であれば、すぐに購入した方が、トータルで考えた時の費用負担が少ないと言えます。

早く完済できると老後の資金計画に有利

「すぐ購入」のメリットは、費用負担を抑えられることだけではありません。住宅ローンの返済期間は長く、その間に自身にどのようなことが起こるか分かりません。ケガや病気といったことがあるかもしれませんし、転職など仕事環境の変化もあるかもしれません。そのようなことを考えると、体力があり、健康への不安が少ないうちに完済できれば、大きな安心になることは間違いないでしょう。

人生100年時代と言われる今、仕事の引退後を見越した人生設計が重要視されています。住宅ローンの返済を早く終えることで、老後の資金計画が立てやすくなることは、大きなメリットと言えます。

繰り上げ返済の活用も

同じ「貯める」でも、これから頭金を貯めるよりは、すぐに購入して、繰り上げ返済のための資金を貯める方が、“有意義な貯め方”かもしれません。

例えば先ほどの例で、頭金ゼロですぐに購入し、その後5年間で500万円を貯めたとします。購入から5年後の時点での「残存返済期間」は30年ですが、そのタイミングで貯めた500万円を利用して繰り上げ返済すると、「残存返済期間」は24年2か月に短縮することができ、それだけ年齢が若いうちに完済できるということになります(※)
(※)シミュレーションによる想定です。

また、繰り上げ返済には、月々の返済額を減らすタイプもあります。転職で収入が減る、教育費がかかる、といった理由で支払いの負担を減らしたい場合は、こちらのタイプが向いています。

ちなみに、繰り上げ返済は、早い時期に行うとより有利だとご存知でしょうか。一般的に、住宅ローンの返済方式は「元利均等返済」です。月々の返済額は一定で、返済額を占める元金と利息の割合が返済期間の経過に応じて変わっていきます。返済開始時は、利息の割合が高く、元金が全然減らないと感じることも。返済期間の経過とともに、利息の割合が減り、元金の割合が高くなっていく仕組みになっています。

繰り上げ返済した分は、元金に充てられるため、その分利息の負担が減ります。つまり、繰り上げ返済は、早い時期ほど、利息を軽減できるということになるのです。

子どもが小さいうちなら、繰り上げ返済の計画も立てやすい

子どもがいる家庭であれば、尚さら購入のタイミングが重要になってきます。現在は、幼稚園・保育園が無償化になっていることもあり、子どもが小さい時期の負担が減っています。一方、子どもが大きくなってくると習い事等の費用が増え、進学時期には、まとまった費用も必要になります。つまり、子どもが小さいうちにマイホームを購入し、早めに繰り上げ返済し、教育費が必要になってきたらそちらに資金を充てる、という考え方も賢い選択肢の一つと言えるでしょう。
 
 
ここまで、マイホームを「すぐ購入」するメリットを挙げてきましたが、やみくもに早く購入することをおすすめするものではありません。いつ購入するのかは、その方のライフプランに合ったタイミングが一番でしょう。ただ、そのタイミングで、「頭金を貯めたい」という理由のために、住まいの購入に踏み出せないとしたら、それはもったいないかもしれません。結果的に負担が抑えられる選択肢を、長い視点で考えてみてはいかがでしょうか。

※文中のシミュレーションは簡易的な設定で行っております。実際の購入の際は、金融機関等とご相談の上、ご自身でお確かめください。

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