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リノベーションのプロが解説!マンションの「見えない部分」はどうやってチェックする?

「リノベーション」というと、おしゃれな内装、機能的な設備といった点に目が行きがち。そのような「見える部分」も大切ですが、長く安心して住めるかどうか、という視点で考えると、「見えない部分」がしっかり施工されているかも、とても重要です。
普段は見えないため、異変に気付いた時には、大きなトラブルが発生していることも少なくありません。

必ず確認しておきたい給排水管

マンションの「見えない部分」とは、具体的には、どこを指すのでしょうか。リノベーション協議会が定める品質確保の統一基準「R1住宅」では、重要なインフラ13項目について建物検査を行い、「見えない部分」を明確にしています。例えば、給水配管、給湯配管、排水配管、ガス配管、電気配線、床下地、壁下地などが「見えない部分」です。
 

その中でも特に重要なのが、給排水管です。というのも、水漏れの最大のトラブルとも言える「水漏れ」は、床板をはがしての工事が必要となり、場合によっては数百万円もの修繕費用がかかることもあります。さらに、下階の住人に迷惑が掛かり、賠償責任が生じることも。パソコンが濡れて重要なデータを賠償することに、といったケースも考えられます。マンションによっては、管理組合で下階への漏水被害をカバーする保険に加入していることもあるので、その場合費用負担は軽減されますが、自宅の修繕費用までは保険でカバーされないことがほとんどです。そのようなトラブルを避けるためにも、給排水管にも目を向けておくと安心です。

安心な生活に欠かせない給排水管のチェックですが、より水漏れのリスクがあるのは給水管です。給水管を知る上で、一つのキーワードになるのが「2000年」です。2000年頃よりも以前に建設されたマンションの多くには、金属製の給水管が使われています。金属管の寿命は20~30年。時間とともに劣化し、「ピンホール」と呼ばれるごく小さな穴があき、それがじわじわと広がって水漏れが起きるのです。


左:金属管、右:樹脂管(青が給水管・オレンジが給湯管)

一方2000年頃以降は、ほとんどのマンションで金属管に代わって樹脂管が使われるようになりました。樹脂管は、経年劣化しにくく、錆びることがないので、漏水しにくく、長期間取り替えが不要。長く安心して住むことができます。リノベーション工事の際には、築年数や状態に応じて、樹脂管への更新を行います。

部分的に更新できない場合も

樹脂管へ更新されていたとしても、一つ確認しておきたいポイントがあります。実は、室内は全て樹脂管に更新されていても、室内と共用部をつなぐ「貫通部分」と呼ばれる部分は、マンションの管理規約の制限によって、更新工事ができない場合があるのです。そこで、樹脂管への更新は“全て”行われているかどうか、確認しておくことをおすすめします。

「見えない部分」である給水管ですが、玄関脇などにあるメーターボックスの中では、管が露出していることが多いため、直接見て確認することができます。バルコニーの給湯器の下、洗面化粧台下にある点検口内部の給水給湯管も、管が露出していることが多い箇所です。その部分が樹脂管でも、他の部分が金属管、というケースもまれにありますが、目視で確認しておくに越したことはありません。

水回りの場所を大胆に変えるのは要注意

自由に間取りを決めることができて、自分にとって理想の住まいをつくることができるのがリノベーションの魅力です。ただし、水回りの場所をあまりにも大胆に変えるのは注意が必要です。例えば、「景色を楽しみながら入浴したいから、バルコニー側に浴室をつくった」としたら、どのようなことが起きるでしょうか。階下が寝室であれば、そこに住む人は、就寝中、排水音に悩まされるかもしれません。

マンションの間取りは、基本的には上下階共通。自分だけ水回りの位置を大胆に変えてしまうと、トラブルの原因になることも。物理的には理想の間取りをつくることができたとしても、マンション内で揉め事になってしまっては、住みづらくなってしまいます。

また、水回りのリノベーションを考える上で「勾配」もポイントとなります。浴室やトイレといった水回り設備からの排水は、専有部から共用部の排水管にスムーズに流れていくように勾配をとっています。もし、床下の勾配が足りないところに無理に排水管を通すと、汚水がうまく流れなかったり、最悪の場合は水漏れしたりする恐れがあるのです。プロがつくるリノベーションマンションは、もちろんこれらの点を考慮して間取りを決めています。

マイプレイスでは、リノベーション工事の施工内容を開示していますので、「見えない部分」の更新状況についても知ることができます。気に入った物件に長くお住まいいただくため、「見えない部分」にも目を向けてみてくださいね。

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